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6月18日 AM17:00
ヒューゴは花束を手に持って病院に向かっていた。 その足取りは軽い。 鼻歌でも歌いだしそうな様子だった。 今日はミサキに会える日だ。 経過観察でも特に異常は見つからないとのことで、面会を許して もらえた。 突然、ヒューゴのスマートフォンが鳴った。 立ち止まり、スマートフォンを耳に当てた。 電話はスミレ・ルイスからだった。 声が少し震えていた。
スミレ
ヒューゴ、聞いて
ヒューゴ
事件か
スミレの声で一気に現実に引き戻された。
スミレ
人々が意識を失って、次々病院に運び込まれていて、 その共通点が、奇跡の少年に救われた人たちなの
ヒューゴは顔が引きつった。全身を寒気が襲う。 ミサキさんは大丈夫だろうか。 病院に向かって走り出した。
ケヴィン
ゾンビ男の次は…シブヤゾンビハザードかよ…
ケヴィンはその光景に唾をのんだ。 3日前にケヴィンを襲った男と同じように、意識のない虚ろな者 たちが街の人々に襲い掛かっていた。 ケヴィンは襲われている人に駆け寄り、虚ろな者を引きはがし、 自慢のパンチをお見舞いする。
ケヴィン
かかってこい、俺が相手だ!
拳を握りボクシングのポーズで構えた。 ケヴィンの声につられて虚ろな者たちがケヴィンの方を向いた。
ケヴィン
…やっぱりヒューゴ、助けに来てくれねぇかな
ジェームズもまた虚ろな者の群れに囲まれていた。
ジェームズ
やぁあ!!
虚ろな者を次々と投げ飛ばしていく。
一般女性
ありがとうございます…お強いんですね
助けられた女性がジェームズに向かって礼を言った。
ジェームズ
少し、柔術の心得がありまして。 これも昔取った杵柄なのですが
女性を逃がし、ジェームズは虚ろな者たちに向かって行く。
ジェームズ
源磁様の夕食の準備があるので 手短に終わらせたいのですが
アナウンサー
ニュース速報です。渋谷付近で暴徒に街の人々が襲われています。 目撃者の証言によると呼びかけにも応じず、 まるで映画のゾンビのようだということです。 渋谷周辺にいる方はくれぐれも警戒してください。 そのゾンビは集団で――
手元に渡された原稿に目をやる。
アナウンサー
ただいま、速報が入りました。 警視庁はこれらの暴徒を”グール”と呼称しました。 決して近づかず、警察、そしてヒーローに任せましょう
ミサキは病室から姿を消していた。 ヒューゴは上空からミサキを探した。 青山通りにグールの集団を見つけた。その中にミサキがいた。
ヒューゴ
ミサキさん、ミサキさん!
ミサキ
………
ヒューゴの声はミサキには届かない。 愕然とした。ミサキもグールとなっていた。
ヒューゴ
そんな…
ミサキが唸るような声をあげヒューゴに向かって襲いかかる。 ヒューゴは後ろに飛び攻撃をかわす。
ヒューゴ
何か方法は…
スミレの電話を思い出した。 シロウに術を施された人が全員倒れた。 そして、グールとして動き出している。 シロウがこの事件には関わっていることは間違いない。 ヒューゴを探そう。 そうすればミサキを助けることもできるだろう。 遠くに光の柱が見えた。 渋谷の方だ。あそこに何かあるはずだ。 ヒューゴは飛び上がり光の柱を目指した。
ヒューゴ
待っててください、ミサキさん
道玄坂のビルの屋上から天に向かって光の柱は伸びていた。 それは紫色で禍々しい雰囲気を放っていた。 ヒューゴは滑空しながら近づいていく。 屋上にいたのは、シロウとユリヤだった。
シロウ
あ、お兄さん
時代劇に出てきそうな衣装に身を包んだシロウがそこにいた。 シロウは一日の間に成長していて15歳ぐらいに見えた。 明らかに様子がおかしい。 シロウの横にはユリヤが倒れていた。 ヒューゴはユリヤの側に降り立った。 頬を軽く叩く。うぅと唸ってユリヤが目を覚ます。
ヒューゴ
ユリヤ、しっかりしろ
ユリア
あれ、ヒューゴ?シロウは…
シロウがハッキリとした声で話す。
シロウ
力を取り戻すため協力をしてくれたことに感謝するよ。 一般人から力を吸うより、お姉さんの力を吸った方が 断然早かったよ。 ここまで早く復活できるとは思わなかった
ヒューゴ
何を言ってるんだ…
ユリア
なるほど、”恩を仇で返した”ってことね
ユリヤはフラフラとしながら立ち上がった。
シロウ
お兄さん、ねぇ、ここまでくる間に僕の信徒たちには会った? 病院のお姉さんも僕の契約者になってると思うんだけど。 結構念入りに契約を結んだから、時間を稼いでもらうために 暴れてもらったんだけど、思ったより早く来たから ユリヤお姉ちゃんと契約が結べなかったよ
ヒューゴは確信した。 シロウは悪だ。 シロウは人を助けていた訳ではなかった。 人を救うふりをして意のままに操る術を施していたのだ。
ヒューゴ
よく喋るようになったな、シロウ。 いや、今のお前が正体か…。 お前がこんなクズ野郎だったとは思わなかったよ。 ミサキさんが、街の人がどんな気持ちで救いを 求めたと思っているんだ!
普段は温厚なヒューゴだが、今ばかりは焼け焦げるほどの怒りに かられていた。
シロウ
救ってやったさ。彼らは僕の傀儡として生き続ける
太い柱の様だった紫の光がシロウに向かって収束する。 光を吸い込んだシロウは靄のようなものを身に纏う。
シロウ
改めて自己紹介をしよう。 僕こそは神より遣わされたメシア、 益田四郎時貞、フランシスコ。 神に選ばれた僕には世界を救う義務がある。 どうやら僕が生きた時代よりこの世界は汚れきって しまっているらしい。この世界は生まれ変わる。 信徒たちと共に僕が浄化するんだ
ユリア
うるさい!
ユリヤがシロウに向かって火球を投げつける。
ユリア
シロウ。むかつくよ!可愛くない! ワタシもヒューゴも手を貸してたってことになるよね。 人を騙しておいて何がメシアよ!
ユリヤは声を強くした。
ユリア
知らなかったとはいえ、悪に手を貸したのは私たちの責任! その責任はキッチリとるから!
ユリアは自分の周りにシャボン玉の様な火球をいくつも浮かべた。
ヒューゴ
ユリヤ、その通りだ。責任を果たそう。 元より東京を魔から守るのが我ら高尾山烏天狗の務め。 サイバーテング参る!
フランシスコは皮肉めいた笑みを浮かべ、手招きをした。
このページでの効果
・シナリオBをめくり、エネミーを出現させる。  →「フランシスコ」 ・離脱していたメルティスイートのコマを渋谷に出現させる。 ・シナリオED1、ED2、BADENDの3枚を裏向きで机に並べる。  以降いずれかの条件を満たしたとき、以下のリンクに進む。 ED1 ED2 BAD END