001
道玄坂
フランシスコの力にヒューゴとユリヤは苦戦していた。
フランシスコ
助けてあげようか? あの人間たちの様に傀儡として生かしてやろうか?
血が滾る。 ヒューゴは自分の中の怒りが増長しているのがわかった。 傷だらけの体に鞭を打ち、立ち上がった。
ヒューゴ
あの子は生きたいって願った。 それだけじゃないか。 お前は願いを叶えるふりをして騙した。 そして、彼女は…
頭が沸騰しそうだった。 ヒューゴは渾身の力を込め、フランシスコの前に飛び出した。 フランシスコもヒューゴの息の根を止めようと攻撃を仕掛ける。 手から放たれた光はヒューゴを刺そうとしていた。
ユリア
私も…まだ戦えるから…
ユリヤの火球がフランシスコに命中する。
フランシスコ
ガハッ…
フランシスコに隙が生まれた。この機を逃してはいけない。 ヒューゴは地面を蹴り、鉄の杖でフランシスコの胸を貫いた。
ヒューゴ
燃えろ、迦楼羅炎
その瞬間、青い炎が勢いよくフランシスコの体を包んだ。 激しくも優しい炎だった。インドの神様に由来する炎だとかと いう話をヒューゴも師匠の大天狗といわれる人物から聞いた。 炎に包まれながらフランシスコが断末魔をつぶやく。
フランシスコ
口惜しい…口惜しい… デウス様…
悪夢の終わりはあっけなかった。 フランシスコは光るチリとなって消えていった。 フランシスコだった塵がキラキラと光って宙に舞った。
ヒューゴ
南無飯縄大権現
ヒューゴは空に向かって念仏を唱えた。 一つの区切りをつけるように。
ユリア
やったね
ヒューゴ
終わった
二人はハイタッチをした。 謎の少年、シロウの引き起こした事件は幕を閉じた。
ケヴィンを囲んだグールたち動きが一斉に止まって、その場に 崩れ落ちた。
ケヴィン
あぶねーっ…間一髪だったぜ
ケヴィンの限界はとうに超えながらもグールたちと戦っていた。 緊張の糸が切れるようにその場に座り込んだ。
ケヴィン
どうやらヒューゴがやったようだな
ポケットから煙草を取り出して口に運ぼうとしたところで目の前 に車が停まった。
ジェームズ
乗っていきますか
ケヴィン
車の中は禁煙か?
ジェームズ
当然です
フランシスコの消滅後、契約者を失ったグールたちは元通りに 人間に戻っていった。 ミサキもフランシスコ撃破後すぐにジェームズによって病院に 運び込まれた。
数日後、ヒューゴはミサキの病室にいた。 窓から暖かな日差しが入ってきた。 これから夏の到来を予想させる気持ちのいい午後だった。 ベッドではミサキが上半身を起こし、外を眺めていた。 横でヒューゴがイスに座ってリンゴの皮をナイフで剥いていた。
ミサキ
助けてくれてありがとうございました
ヒューゴ
でも、君を危険に晒した…。 お礼を言われる資格はないよ
うつむいて視線を床に落とした。
ミサキ
そんなことありません。 私が今、こうしてまたヒューゴさんと話ができるの はヒューゴさんのおかげです
ヒューゴ
僕は何も…
ミサキ
ヒューゴさん、サイバーテングだったんですね
ヒューゴは驚いてリンゴを落としそうになった。
ヒューゴ
どうしてそれを?
ミサキ
この前、ケヴィンって人が来て、 俺の相棒のサイバーテングが悪い奴を倒して 君を救ったんだーって。 それで私が驚いたら、え?サイバーテングって 知らなかったの?って
ヒューゴ
あいつ…
ケヴィンなら言いかねない。ヒューゴは頭を抱えた。
ヒューゴ
僕がサイバーテングってことは―
ミサキ
秘密、ですよね。わかってます
ヒューゴ
うん…ありがとう
二人の間に少しの沈黙が流れた。
ミサキ
あー、病気が治ったって聞かされた時は本当に 嬉しかったなぁ。 本当の普通の女の子になれたみたいで。 元に戻っただけってわかっても、やっぱり ちょっとは残念です。
そう言ってミサキは精一杯ヒューゴを気遣ってはにかんでみせた。
ミサキ
もうすぐ死んじゃいますけど、 私はヒューゴさんに出会えて幸せでした
それは本心からの言葉だった。 ヒューゴも言葉を返そうとした時、扉をノックする音が響いた。 二度のノックの後、病室の扉が開いた。 入ってきたのは黒髪の長身の男性だった。
???
失礼致します
ヒューゴ
あ、所長
ミサキ
ヒューゴさん、この人は?
ヒューゴ
ヒーローたちの活動を助けている機関の所長だ
ロイ
私はロイ・ロギンス 特務機関GOODの者です。 ヒューゴ、お疲れ様。よく頑張ったね
労いの言葉にヒューゴはぺこりと頭を下げた。
ロイ
あなたがミサキさん、ですね。 今日はあなたに会いに来ました
ロイはミサキを真っ直ぐ見た。
ミサキ
私に、ですか
思わぬ指名にミサキはきょとんとした。
ロイ
あなたを保護させてもらえないでしょうか。 あなたの命を救えるかもしれません
ロイは低い声でゆっくり話した。 ロサンゼルスにロイの伝手の研究施設があり、 助かる可能性があることを告げた。 治療費もGOODが保証するという。
ミサキ
連れて行ってください。 もし生きる方法があれば…私、生きたいです。 でも、どうして…
ロイ
うちのヒーローが命を賭けて街を守ってくれたんだ。 彼の頼みを聞かないなんて男が廃るだろう
ロイはヒューゴにウィンクをした。 ヒューゴはどこに視線を持っていけばいいかわからず、 目を泳がせた。
ミサキ
ヒューゴさん、これからも応援しています。 あと、元気になったら、またハンバーガー食べに連れ て行ってくれますか
ヒューゴは優しい顔で頷いた。 どうか、この人に幸運を。 True END...
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